サトイモ科について
サトイモ科(Araceae)は、APG IV 分類でオモダカ目に含まれる単子葉植物の科で、約140属、3,700種以上が知られています。熱帯を中心に世界に広く分布し、特にアメリカ大陸の熱帯で多様です。小さな花が棒状に集まった肉穂花序と、それを包む仏炎苞からなる花序が特徴で、地生の草本のほか、つる性や着生の種、ウキクサ類のような水生の種まで生活形は多様です。組織にシュウ酸カルシウムの結晶を含むため、生の茎や葉に触れたり口にしたりすると刺激を受けることがあります。園芸ではモンステラ属、アンスリウム属、フィロデンドロン属、ザミオクルカス属などが観葉植物として広く栽培され、サトイモやコンニャクなどの食用植物も含まれます。APG 分類では旧ウキクサ科がこの科に統合されています。

モンステラ属(Monstera)は、サトイモ科モンステラ亜科の属で、約60〜70種が知られています。中央アメリカから南アメリカの熱帯に分布します。地面に根を張りながら気根で樹木をよじ登る半着生のつる植物で、成熟すると葉に穴や切れ込みが入ることが特徴です。葉や茎にはシュウ酸カルシウムを含み、完熟した果実を除いて口にすると刺激があります。園芸ではモンステラ・デリシオサ(ホウライショウ)と、マドカズラとして知られる M. adansonii が観葉植物として広く栽培され、ホウライショウ属とも呼ばれます。
アンスリウム属(Anthurium)は、サトイモ科の中で最も種数の多い属で、約1,000種が知られています。メキシコからアルゼンチンとカリブ海地域に分布し、多くは樹木に着生します。肉穂花序と、それを取り巻く仏炎苞からなる花序を持ち、栽培種では仏炎苞が赤やピンクに色づきます。全草にシュウ酸カルシウムを含み、口にすると刺激があります。園芸では仏炎苞を観賞する A. andraeanum(オオベニウチワ)や A. scherzerianum のほか、ビロード状の葉を持つ A. clarinervium や A. warocqueanum などが観葉植物として栽培され、ベニウチワ属とも呼ばれます。

ザミオクルカス属(Zamioculcas)は、サトイモ科の属で、Zamioculcas zamiifolia の1種のみからなります。ケニアから南アフリカ北東部にかけての東アフリカに分布します。地下にイモ状の根茎を持ち、水をたくわえる太い葉柄と光沢のある羽状複葉が特徴で、乾燥と日陰に強い多肉質の多年草です。全草にシュウ酸カルシウムを含み有毒です。園芸ではザミオクルカスまたはザミーフォリアの名で観葉植物として広く栽培され、葉が黒くなる品種「レイヴン」も流通しています。
種が未登録の属(11)