「クイーンアンスリウム」として知られる大型の着生種で、長さ60〜120cm以上に達するが幅は10〜20cmしかない、非常に長く細い下垂性の葉が特徴である。葉は濃緑色で顕著な銀白色の葉脈を持ち、ビロード状の質感がある。葉の表面はやや隆起した葉脈によりキルト状の外観を呈する。新葉は銅色から赤銅色で展開する。
アンスリウム・ワロクアーナムはコロンビアの標高400〜1,200mの森林で樹上に着生する植物で、原産地の空気の湿り気と根まわりの通気を室内で両立させるのが難しいためです。湿度は70〜80%以上を常に保つ必要があり、60%台に落ちると葉先から傷み始め、いったん傷んだ葉は元に戻りません。温度は18〜26℃が目安で、30℃を超える日が続くと成長が止まります。
もう一つの難しさは水やりの幅が狭いことです。着生種のため根が常に湿った状態を嫌い、少しやりすぎただけで根腐れを起こします。一方で乾かし切ると葉の縁が枯れるので、粗い用土で保水と通気を両立させ、風を動かしながら高湿度を保つ設備(温室、ケース、加湿器)を前提に考えると失敗が減ります。
もっとも多い原因は水のやりすぎによる根腐れです。用土が湿ったまま葉が黄色くなり、葉柄や葉の付け根が柔らかく溶けるように傷む場合は根を確認し、黒く柔らかくなった根を清潔なはさみで取り除いて新しい用土に植え直します。低温と過湿が重なると特に起こりやすいので、冬の水やりは控えめにします。
用土が完全に乾いて古い葉から黄色くなる場合は水切れです。新しい葉が出るたびに古い葉が1枚落ちる状態は、環境が足りていない合図で、順調な株は葉を減らさずに増やしていきます。展開中の新葉が縁から傷むのは湿度不足、葉が黄ばんで色が薄い場合は肥料不足のことがあり、いちばん古い葉が1枚ずつ黄色くなるのは寿命による自然な落葉です。
着生種なので、根が空気に触れる粗い材料を使います。水苔だけで植えるか、バークチップ5、パーライト2.5〜3、水苔2〜2.5の割合で混ぜたものが扱いやすく、ヤシ殻チップや軽石、炭を加えても構いません。一般的な観葉植物用の培養土、ピートモス主体の土、赤玉土だけの用土は水が停滞するので向きません。
鉢は木製やスリットの多い通気性の高いものが向き、吊り鉢や板付けにすると長い葉を自然に垂らせます。茎が伸びて成長点が用土から離れると成長が止まることがあるので、モスポールを添えて気根を這わせるか、植え替え時に成長点を用土の高さに近づけます。
冬も15℃以上を保ちます。15℃を下回ると成長が止まって葉が変色し、10℃以下では回復しない低温障害を起こして枯れることがあります。夜の窓際は冷えるので窓から離し、暖房の風は直接当てないようにします。
暖房で室内の湿度が下がるため、冬こそ加湿器やケースで70%以上を保つことが大切です。水やりは春〜秋の4〜7日に1回から、冬は10〜14日に1回程度に減らし、用土の表面が乾きかけたら与えます。水切れさせないことと、低温時に湿らせすぎないことの両方に気を配ります。肥料は冬は与えません。
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