キョウチクトウ科について
キョウチクトウ科(Apocynaceae)は、APG IV 分類でリンドウ目に含まれる双子葉植物の科で、約380〜390属、5,000種以上が知られています。熱帯から暖温帯を中心に世界に広く分布します。切ると白い乳液を出す種が多く、葉は単葉で対生するものが一般的です。多くの種がアルカロイドや強心配糖体を含んで有毒であり、キョウチクトウをはじめ扱いには注意が必要です。生活形は高木や低木からつる植物、幹が肥大する多肉植物まで幅広く、園芸ではパキポディウム属やアデニウム属などの塊根植物のほか、プルメリア属やホヤ属(サクララン属)が栽培されています。APG 分類では旧ガガイモ科がこの科に統合されています。
パキポディウム属(Pachypodium)は、キョウチクトウ科の属で、約25種のうち20種がマダガスカル固有、残りがアフリカ南部に分布します。乾季の長い乾燥地に生え、水をたくわえて太く膨らんだ幹と、対や3本ずつ並ぶとげ、乾季に落葉する葉が特徴です。低く平たい塊茎状のものから高さ5mを超える樹木状のものまで姿は多様で、白や黄色の花を咲かせます。園芸では P. lamerei、P. rosulatum subsp. gracilius(グラキリス)、P. brevicaule(恵比寿笑い)などが塊根植物として栽培されています。属全体がワシントン条約の附属書IIに掲載され、そのうち P. ambongense、P. baronii、P. decaryi、P. windsorii の4種は附属書Iに掲載されています。
アデニウム属(Adenium)は、キョウチクトウ科の属で、アフリカのサヘル地域から南部アフリカとアラビア半島に分布します。種の数は1種の変異とみる説から12種前後とする説まで幅があります。基部が膨らんだ塊茎状の幹と、赤やピンクの筒状花が特徴で、樹液には強心配糖体を含み有毒です。園芸では「砂漠のバラ」と呼ばれる Adenium obesum が塊根植物として広く栽培され、太い幹を持つ A. arabicum も流通しています。