ロゼット状に葉を展開する中型の着生ブロメリア。葉は細長く反り返り、暗緑色で基部に赤褐色の縦縞が入る。株幅は最大50cm程度。花序は扁平なパドル状で長さ16cmに達し、密に重なったローズピンクの苞葉から芳香のある青紫色の花が順次開花する。種小名「cyanea」は花の濃い青色に由来する。系統解析に基づき2016年にTillandsiaからWallisiaに再分類された。緑葉種に分類される。
ピンク色の平たい部分は苞(花を包む葉が変化したもの)が重なった花序で、花そのものではありません。花は苞の間から一つずつ順に伸び、3枚の青紫色の花弁を開きます。一つの花は数日でしぼみますが、苞は最後の花が終わるまで色づいたままなので、観賞期間は1か月前後になります。
花が終わって苞が褪せ、茶色く枯れてきたら、花序を付け根からハサミで切り取ります。一度咲いた株が再び花序を出すことはありません。
開花後、親株は葉の付け根から2〜4個の子株を出し、子株が育つにつれて少しずつ衰えていきます。親株が枯れても子株が世代を引き継ぐため、株そのものがなくなるわけではありません。
子株は親株の3分の1から半分ほどの大きさになってから切り離し、水ゴケやバークなどに植え付けます。作業は生育が始まる5〜6月が向いています。切り離さずに育てると、親株を囲むように複数の株がまとまった姿になります。
キアネアは緑葉の着生種で、銀葉のチランジアと違い根からも水を吸います。そのため板付けや置くだけではなく、水ゴケやバークチップなどの用土に鉢植えにして育てます。葉は筒状に水をためる形ではないので、生育期は用土の表面が乾きかけたらたっぷり与え、葉水もこまめに行います。
冬越しの最低温度は7℃が目安です。夜間の気温が10℃を下回る前に室内の明るい窓辺に移し、暖房の風が直接当たらない場所に置きます。冬は生育が鈍るので用土は乾かし気味にし、霧吹きは週2回程度に減らします。冷え込む時期は葉の付け根に水を残さないようにし、室温が5℃近くまで下がる場合は鉢内をさらに乾かし気味にします。
同じ植物です。この種はかつてチランジア属に含められ、Tillandsia cyanea の名前で長く流通してきました。2016年に DNA 解析に基づく分類の見直しで、19世紀に一度提案されていたワリシア属(Wallisia)が復活し、Wallisia cyanea が受理名になりました。種小名の cyanea は「青い」という意味で、花の色に由来します。
ややこしいことに、Tillandsia cyanea という名前は別の種(長く Tillandsia guatemalensis と呼ばれてきた植物)の正しい名前として使われるようになっています。園芸店や書籍の「チランジア・キアネア」は、ほとんどの場合この Wallisia cyanea を指します。